本研究では、霊長類iPS細胞由来心筋細胞を心筋梗塞発症後3か月経過した慢性心筋梗塞モデルに自家移植し、他家移植との比較を通じて優位性を検証し、免疫抑制剤を使用せずに細胞が長期生着するかを確認した。1)iPS細胞由来心筋細胞の作製:カニクイザルのiPS細胞を5系統作製した。さらに未分化iPS細胞から心筋細胞を作製し、凍結保存した。2)前臨床移植試験:全身麻酔下でカニクイザル心筋梗塞モデルを作製した。心筋梗塞作製12週間後に、自家移植、他家移植、およびvehicle移植を行った。自家移植ではグラフト心筋細胞の生着が確認されたが、他家移植では著明な免疫応答が見られた。
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