肝臓はグルコースを取り込み、肝臓代謝のみならず、遺伝子転写から他臓器との連関などのグルコース応答を惹起する。過栄養・肥満では、肝グルコース応答が障害され、その障害は耐糖能障害・インスリン抵抗性の病因となる。本研究では肝グルコース応答の制御メカニズムとしてGck調節タンパク質(GKRP)の役割の解明に取り組んだ。GKRPは過栄養・肥満によって126番リジン残基(K126)アセチル化が増加する。GKRPのK126R変異ノックインマウスは、肝糖代謝に明らかな変化を示さないものの、トランスクリプトーム解析では遺伝子発現変化を来した。GKRPが新規なグルコース応答制御分子である可能性が示唆された。
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