研究課題
近年のゲノム編集技術の開発によって大きな技術革新が生まれており、治療開発への応用が期待されている。申請者は挑戦的研究(萌芽)H30-R1/R2-3により高効率多重ゲノム編集技術を開発し、初代培養細胞およびCAR-T細胞へ同時に複数の遺伝子変異を導入する革新的手法に成功した。本研究では、高効率ゲノム編集技術をin vivo CRISPR/Cas9 sgRNA library導入へ応用し、膵癌細胞の網羅的ゲノム編集解析により転移能獲得機序を解明し、CAR-T細胞の網羅的ゲノム編集解析により膵癌組織への免疫浸潤機序を解明する。免疫応答モデルを用いて癌細胞および免疫細胞の両面から膵癌の難治性機序を明らかにし、新規治療法を開拓する挑戦的課題である。(1)膵癌細胞のin vivo網羅的ゲノム編集解析による転移能獲得機序の解明と治療開発C57BL/6マウス由来膵癌株を用いたin vivo網羅的ゲノム編集解析の結果、同系統マウスにおける転移能獲得には抗原提示機構および細胞外基質(ECM)に関連する遺伝子群が寄与することを見出した。抗原提示機構のエピゲノム制御を見出し、治療標的となる可能性を認めた。さらにECMシグナル阻害剤および酵素阻害剤により樹状細胞およびT細胞が活性化し、転移抑制に伴い予後が延長することを明らかにした。(2)CAR-T細胞のin vivo網羅的ゲノム編集解析による免疫浸潤機序の解明と治療開発MSLN+膵癌マウスモデルに対して同系統MSLN-マウスCAR-T細胞治療を施行し、in vivo網羅的ゲノム編集解析によって免疫関連遺伝子群を同定して、新たに免疫活性化遺伝子を追加したNew CARベクターを作成した。New CAR-T細胞治療による治療効果群の解析によって樹状細胞活性化が重要であることを見出し、さらに免疫疲弊阻害剤併用によって有効性が亢進することを明らかにした。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (3件)
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