研究課題/領域番号 |
22K19556
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
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研究分担者 |
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00512310)
宗岡 悠介 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00769391)
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20706460)
中野 麻恵 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (20790281)
市川 寛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50721875)
坂田 純 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70447605)
凌 一葦 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70804540)
田島 陽介 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30757505)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 腫瘍内細菌叢 / 癌遺伝子異常 / 変異シグネチャー解析 / 高次元データ解析 / ゲノム解析 / DNA付加体 / 発癌メカニズム / 16S rRNA遺伝子解析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「細菌叢ゲノムデータ、癌ゲノムデータを高次元データ解析し、癌と特異的に共生する細菌叢(腫瘍内細菌叢)を特定し、細菌叢のゲノム配列 がヒト癌細胞にinsertionされている遺伝子異常を同定すること」である。臨床応用に向けたMicrobiome-based Precision Medicine(細菌叢を基盤とし た精密医療)という新たな学術体系の礎を築くことを目指す。本研究の意義 は、癌遺伝子異常と腫瘍内細菌叢とを同時にゲノム解析することにより、細菌叢と宿主(ヒト)の癌遺伝子異常との関連性および発癌要因を究明できる点にある。本研究の可能性は、癌遺伝子異常を医学的により深く理解するうえで腫瘍内細菌叢という新たな視点からアプローチできる点である。変異シグネチャー解析 を行うことでDNA付加体を介した発癌メカニズムにおける腫瘍内細菌叢の関与を変異パターンの解読で解明できる点にある。 研究課題A:臨床検体から癌部および非癌部の16SrRNA遺伝子解析を行い、癌と特異的に共生する腫瘍内細菌叢を特定する方法論を確立した。研究課題B:癌部のショートリードのNGS解析は断片化されたDNAをキャプチャーして配列決定しているため、insertionされているゲノム配列がヒトのゲノム配列にinsertionされた結果なのか、単に細菌のゲノム配列をキャプチャーして配列決定された結果なのか判定することは困難であった。バイオインフォマティクスによる高次元解析の結果、腫瘍内細菌叢のゲノム配列が混入した結果であることが判明した。VCFデータから大腸癌における変異シグネチャー解析を行った。研究課題C:ヒト癌細胞にinsertion(挿入)されているゲノム配列(long indel, short indel)を同定するためにロングリードの全ゲノム解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題Aでは、臨床検体から癌部および非癌部の16SrRNA遺伝子解析を行い、癌と特異的に共生する腫瘍内細菌叢を特定する方法論を確立できた。研究課題Bでは、通常の癌ゲノムデータ解析にIMS-Indel等のlong indelサーチを応用して、高次元データ解析し、insertionされているゲノム配列を同定することが可能であった。しかし、癌部のショートリードのNGS解析は断片化されたDNAをキャプチャーして配列決定しているため、insertionされているゲノム配列がヒトのゲノム配列にinsertionされた結果なのか、単に細菌のゲノム配列をキャプチャーして配列決定された結果なのか判定することは困難であった。バイオインフォマティクスによる高次元解析の結果、腫瘍内細菌叢のゲノム配列が混入した結果であることが判明した。VCFデータから大腸癌における変異シグネチャー解析を行った。研究課題C:ヒト癌細胞にinsertion(挿入)されているゲノム配列(long indel, short indel)を同定するためにロングリードの全ゲノム解析に方法論を切り替えており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
通常の癌ゲノムデータ解析にIMS-Indel等のlong indelサーチを応用して、高次元データ解析し、insertionされているゲノム配列を同定することが可能であった。しかし、癌部のショートリードのNGS解析は断片化されたDNAをキャプチャーして配列決定しているため、insertionされているゲノム配列がヒトのゲノム配列にinsertionされた結果なのか、単に細菌のゲノム配列をキャプチャーして配列決定された結果なのか判定することは困難であった。バイオインフォマティクスによる高次元解析の結果、腫瘍内細菌叢のゲノム配列が混入した結果であることが判明した。今後は、ヒト癌細胞にinsertion(挿入)されているゲノム配列(long indel, short indel)を同定するためにロングリードの全ゲノム解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による影響で学会発表、試薬の調達に遅れが出たため。
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