研究課題/領域番号 |
22K19567
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大塚 隆生 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20372766)
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研究分担者 |
谷本 昭英 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10217151)
杉浦 剛 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40322292)
蔵原 弘 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (70464469)
下之薗 将貴 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (40814322)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 膵癌 / 発癌 / 早期診断 / マイクロバイオータ / 細菌叢 / IPMN |
研究実績の概要 |
IPMNの網羅的遺伝子変異解析が世界的に行われるようになり、そのなかでKLF4変異が良性のIPMNに高頻度に認められることが明らかとなった(Gut 2021; 70, 928-939)。一方、我々も併存膵癌が良性IPMNに高頻度に併存することを報告しており(Ann Surg 2013; 258, 141-151.)、KLF4変異が併存膵癌発生を予測するIPMNの新規分子マーカーとなりうるのではないかという仮説を立てた。 IPMNならびに同一患者の膵内に発生した併存膵癌の切除標本のパラフィン包埋切片を用いてDNAを抽出し(n=13)、PCRで増幅したDNAライブラリーをIPMNならびに併存膵癌から個別に作成した。まずスクリーニングとして5例のIPMN併存膵癌患者の遺伝子変異をIPMNならびに併存膵癌から個別に次世代シークエンサーで解析し、併存膵癌合併IPMNのみにKLF4遺伝子変異を認めることを確認した。コントロールは併存膵癌非合併IPMN (n=37)である。このライブラリーのDNA量測定と品質チェックも行ったうえで50名の患者の切除検体を選択し、ターゲットを絞った遺伝子変異(KRAS、GNAS、KLF4の3遺伝子)をより詳細に解析した。 結果としてKLF4遺伝子変異が併存膵癌合併IPMNにおいて併存膵癌非合併IPMNより高頻度に検出され[38% (5/13) vs. 4% (1/24), p=0.01]、IPMNの中でも特に膵癌を合併しやすい高リスク群の新規分子マーカーとなる可能性が示唆された。一方、これまで併存膵癌を合併しやすいIPMNの分子マーカーとして期待されていたGNAS変異 [62% (8/13)vs. 42% (10/24), p=0.42]、KRAS変異[69% (9/13) vs. 58% (14/24), p=0.77]は両群間で差を認めなかった。 なお、いずれの遺伝子変異も予後への影響を認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゲノム解析は終了し、現在論文投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
KLF4遺伝子変異をきたす特異的細菌感染があるとの仮説の元、遺伝子変異解析を終えたIPMNならびに併存膵癌のパラフィン包埋切片からマクロダイセクションでDNAを抽出し、マイクロバイオーム解析を行い、特異的遺伝子変異との対比を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部の外注解析が年度をまたぎ、次年度に結果が戻ってきた際に解析費用を支払うため。
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