研究課題/領域番号 |
22K19576
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
森田 直樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 総括研究主幹 (60371085)
|
研究分担者 |
佐原 健彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (40357166)
芳賀 早苗 北海道大学, 保健科学研究院, 客員研究員 (60706505)
尾崎 倫孝 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (80256510)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
キーワード | 深部がん分子標的療 / 近赤外光 / NIR-II / NIR-II応答型遺伝子プロモーター |
研究実績の概要 |
短波赤外光領域の波長900(1000)-1400nmの光(NIR-II)は、生体内深部まで到達可能で細胞傷害性も低いことが知られているが、NIR-IIを直接利用した生体内 分子の光操作の研究は進んでいない。本研究では、NIR-IIに直接応答する新たな遺伝子の探索を行い、光操作にて生体内深部がん治療に応用可能かどうかを研究 する。具体的には、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)及び微細緑藻クラミドモナス(Chlamydomonas reinhardii)を用いて、NIR-IIに応答する遺伝子プロモーターの探索、同プロモーターを利用した細胞死誘導タンパク質の誘導発現とその腫瘍細胞への効果を細胞レベル及び動物レベルで検証することを目的とする。 まず、RNA-seq解析に必要な出芽酵母およびクラミドモナスのゲノム情報、転写産物情報、各種アノテーション情報をデータベースより取得し、RNA-seq解析に必要なデータ解析環境を整備した。経時的(1h、4h、8h、24h)に細胞をサンプリングし、RNA-seq解析を行う予定であったが、先ずは、NIR-II照射によって、遺伝子発現に差が出るか否かを確認するために、NIR-II照射前(0 h)と照射後(6 h)の細胞からRNA抽出を行い、RNA-seq解析を行うこととした。出芽酵母は30℃でOD600が1.0になるまで、クラミドモナスは25℃でOD680が1.0まで培養した後、近赤外照射用のインキュベーターにフラスコごと移し、NIR-IIを照射し各々培養した。NIR-II照射前(0 h)と照射後(6 h)の細胞からRNA抽出を行い、RNA-seq解析を行ったがうまくデータが得られなかった。現在、改めてNIR-II照射実験から行い、RNAの調製を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、微細緑藻クラミドモナス(Chlamydomonas reinhardii)の野生株を用い、対数増殖期後期の細胞に1050nmの光を照射を行い、経時的(1h、4h、8h、24h)に細胞をサンプリングし、RNA-seq解析を行う予定であった。しかし、近赤外照明の納入が遅れたため、NIR-II照射を照射した細胞の調製が予定通りできなくなってしまったこと、その後のRNA-seq解析がうまく進んでいないことから遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、微細緑藻クラミドモナス(Chlamydomonas reinhardii)の野生株を用い、対数増殖期後期の細胞に1050nmの光を照射を行い、まずは照射6h後に細胞をサンプリングし、RNA-seq解析を行う。得られた遺伝子発現データは、対象群(照射前サンプル)の遺伝子発現データと比較することによって、発現変動する遺伝子情報を取得する。顕著に発現が亢進された遺伝子については、NIR-II照射によって発現が亢進された遺伝子のプロモーター領域をゲノム情報より取得し、レポーターアッセイにより、取得したプロモーターがNIR-II照射による発現誘導性を示すことを確認する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 近赤外照明の納入が遅れたため、NIR-II 照射を照射した細胞の調製が予定通りできなくなってしまったため、未使用額が生じた。 (使用計画) 前年度に遂行できなかった実験に対して、研究予算を使用する。RNAの調製、RNA-seq解析等を行うために使用する予定である。
|