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2023 年度 実施状況報告書

間葉系幹細胞リプログラミングによるRejuvenationの挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 22K19580
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

麻生 義則  東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 非常勤講師 (50345279)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワード間葉系幹細胞 / 若返り / PAI-1
研究実績の概要

若年マウスの血液に暴露された老齢マウスは、認知機能が若返る。この知見は血液中に若返りを誘導する因子が存在することを示唆する。間葉系幹細胞が分泌するエクソソームの移植のみで間葉系幹細胞移植と同等の器官再生能が発揮されるという報告がある。山中カクテルと呼ばれるOSKM(OCT3/4, SOX2, KLF4, c-Myc)の過剰発現によるリプログラミングによって、体細胞が多能性状態に変換可能であることが示されたが、山中カクテルの一過性過剰発現は細胞を若返らせる。以上の知見から我々は、老化した間葉系幹細胞をリプログラミングによって若返らせ、細胞自体、あるいはエクソソームを含む細胞上清を老化マウスに戻し移植することにより、レシピエントマウスを若返らせる効果が得られるのではないかと着想した。本年度は老化した脂肪由来間葉系幹細胞のリプログラミングによる脂肪由来間葉系幹細胞 rejuvenationの方法確立を目指して山中カクテル一過性過剰発現の条件検討を開始しが、山中カクテルによる間葉系幹細胞の若返り効果の確認をするには至らなかった。一方、我々はすでにPAI-1阻害剤が細胞senescenceを予防することを見出しているが、これを間葉系幹細胞に作用させてRNA-seq解析を行った。その結果、細胞の加齢に伴い変動するGDFシグナル、MMPシグナルなどの経路が影響されることが見いだされ、PAI-1阻害剤が間葉系幹細胞のrejuvenationを誘導する可能性が示唆された。2024年度はさらにシグナル解析を進めるとともに、細胞のエピジェネティッククロックに対する影響を検証する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウス由来脂肪間葉系幹細胞の若返りを目的として山中カクテル作用の条件検討を行っているが、現在のところ最適な条件は特定できていない。

今後の研究の推進方策

PAI-1阻害剤が間葉系幹細胞のrejuvenationを誘導する可能性が示唆された。2024年度はさらにシグナル解析を進めるとともに、細胞のエピジェネティッククロックに対する影響を検証する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額は端数である。次年度に消耗品費として使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] SIRT6-PAI-1 axis is a promising therapeutic target in aging-related bone metabolic disruption2023

    • 著者名/発表者名
      Aobulikasimu Alkebaier、Liu Tao、Piao Jinying、Sato Shingo、Ochi Hiroki、Okawa Atsushi、Tsuji Kunikazu、Asou Yoshinori
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 ページ: 1-16

    • DOI

      10.1038/s41598-023-33297-7

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Osteolytic Bone Loss and Skeletal Deformities in a Mouse Model for Early-Onset Paget’s Disease of Bone with PFN1 Mutation Are Treatable by Alendronate2023

    • 著者名/発表者名
      Ling Zhu、Aini Hailati、Kajikawa Shuhei、Shirakawa Jumpei、Tsuji Kunikazu、Asou Yoshinori、Koga Hideyuki、Sekiya Ichiro、Nifuji Akira、Noda Masaki、Ezura Yoichi
    • 雑誌名

      Pharmaceuticals

      巻: 16 ページ: 1395~1395

    • DOI

      10.3390/ph16101395

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] PAI‐1 antagonist ameliorates hypophosphatemia in the Hyp vitamin D‐resistant rickets model mouse2023

    • 著者名/発表者名
      Qian Cheng、Ito Nobuaki、Tsuji Kunikazu、Sato Shingo、Kikuchi Katsushi、Yoshii Toshitaka、Miyata Toshio、Asou Yoshinori
    • 雑誌名

      FEBS Open Bio

      巻: 14 ページ: 290~299

    • DOI

      10.1002/2211-5463.13745

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2024-12-25  

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