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緑内障による視神経障害は、眼圧（眼内の静水圧負荷）の上昇であるとされるが、正常眼圧緑内障が最も多い病型であることから、高い眼圧値以外の因子の関与も指摘されている。我々は、体動や眼球運動に伴う硝子体液の動態によって、眼球各部位の圧負荷を計算できる流体力学解析システムを独自に確立した。本研究の目的は、眼科学に動的流体力学解析手法を積極的に導入し、緑内障視神経障害の病態メカニズムの全容を解き明かすことである。我々は独自開発した動的流体力学解析システム（ver. 1.0）をすでに確立している。さらに改良したver. 2.0システムで、MRI画像から、眼球の3D画像を構築し、その後極部の各部位にかかる圧負荷の計算をおこなった。以前の研究で保管しているT2強調MRI画像を用い、正常と緑内障眼での視神経乳頭近傍の圧マッピングを比較した。さらに、ver. 3.0システムとして、トプコン社のSS-OCT画像のデータを用いて、黄斑から視神経乳頭までの広範囲の後極部断層画像の3D画像を構築し、3D画像の圧マッピングを完成させた。正常眼圧緑内障患者のSS-OCT画像から構築した3D画像に、圧マッピングをシミュレーションしたところ、視神経乳頭耳上側と耳下側に圧ストレスが集中していることが示された。
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