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2022 年度 実施状況報告書

エクソソーム解析による精子形成能高精度測定の実現と男性不妊症評価システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K19588
研究機関横浜市立大学

研究代表者

古目谷 暢  横浜市立大学, 医学部, 助教 (60721082)

研究分担者 佐藤 卓也  横浜市立大学, 医学部, 講師 (70599505)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワード男性不妊症 / エクソソーム解析 / マルチオミックス解析 / 精子形成 / 生殖細胞 / バイオマーカー
研究実績の概要

不妊症と診断される夫婦の割合は15%に達し、そのうちの50~60%は男性にも原因があり、特に20%は男性にだけ原因がある。精巣生検は侵襲が大きいため、精液中の精子の数と運動能を測定する精液検査により治療効果を判定しているが、僅か3~4日後に再検査しても数値が大きく変動してしまう。そこで、本研究では無精子症の患者を含む全男性不妊症患者の精巣内での精子形成を正確かつ継続的に測定できる新規男性不妊症評価システムを開発する。
そのために、精巣細胞から分泌されるExosomeを対象とするオミックス解析を行ない、生殖細胞がどこまで精子に近づいているか、支持細胞の精子形成を誘導する能力がどこまで成熟しているか明らかにする。そして、精子のもととなる生殖細胞の存在を判定するマーカー、造精機能障害で多い減数分裂不全を判定するマーカー、精巣内に精子細胞が少量でも存在するかを判定するマーカーなどを同定し、新規男性不妊診断法、治療効果判定法の確立を目指す。
このように高精度かつ繰り返し実施できる男性不妊検査法が確立すれば、病態解明、治療法の開発に向けた機運が高まり、男性不妊症領域全般への非常に大きな波及効果が期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

閉塞性無精子症患者を患者対照群として、患者群である非閉塞性無精子症患者とのRNA、DNA、タンパク質、脂質などの相違を確認するために、患者群と患者対照群で下記試料の収集を開始した。診療業務の一環として採取した精液の残余検体、診療業務で実施した採血の際に追加検体として末梢血を取得し、Exosomeを精製した。さらに、診療業務の一環として外科治療を受けた患者から、精巣間質液、精巣静脈血などを取得し、同様に精製した。しかし、コロナ感染症の蔓延により良性疾患である男性不妊症患者の手術が延期された関係で、症例集積が予定よりも大幅に遅れてしまった。

今後の研究の推進方策

各種試料の収集を継続し、精液、末梢血Exosome中のmiRNAを含むRNA解析を行い、発現変動遺伝子を明らかにする。精巣間質液、精巣静脈血などでも同様の解析を行なう。また、精巣組織のsingle cell RNA-seqで様々な成熟過程の生殖細胞や各種支持細胞の特徴的な遺伝子発現パターンと比較することで、生殖細胞特異的なマーカー、減数分裂期の生殖細胞特異的なマーカー、半数体細胞特異的なマーカーなどの同定を目指す。

次年度使用額が生じた理由

患者の収集に大幅な遅れが生じ、当初の予定ほどExosomeの精製や保管を行わなかったため、次年度使用額が生じてしまった。次年度は患者の収集を迅速に行うことによってExosomeの精製や保管が増加すると予想されるため、そのために次年度使用額を使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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