研究課題
初年度における、Group 4髄芽腫のCBFA複合体の異常の発見、寛容なマッピングを用いた解析困難領域の解析に続き、解析が十分に行われていない繰り返し領域や相同性の高い領域を解析する手法を確立し、ドライバー遺伝子異常が未だ同定されていない小児悪性脳腫瘍を解析対象とし、原因遺伝子変異を同定することを目的として研究を進めていた。解析困難領域の変異同定手法の感度をあげるために、segmental duplication領域を含め、完全一致しないまでも、相同性の高い領域も含めて解析できるように手法を整えた。オーソログ遺伝子を含めて解析することで変異解析の感度が上がることが確認された。合わせて、繰り返し領域のcopy number variationの評価が可能な手法を確立し、該当領域の変異に合わせてコピー数異常も検出可能とした。さらに、これまでのlinearヒトリファレンスゲノムではなく、グラフゲノムを使用したpan-genomeリファレンスを使用し変異解析ができるように開発を行った。対象疾患計501例に対して解析を行い評価したところ、髄芽腫341例のうちこれまでの手法で同定できなかった2例の症例からU1 snRNA変異が検出され、解析手法の有効性が確認できた。同定された変異に対しては、pangenomeリファレンスから、該当領域の染色体構造と多型を評価できるよう解析手法の確立を行い、個人間の多様性を評価した。
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