研究課題/領域番号 |
22K19595
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
廣田 泰 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40598653)
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研究分担者 |
藍川 志津 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (80884577)
赤枝 俊 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (10898084)
清水 良子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30348643)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 子宮頸部 / 子宮内膜 / 着床不全 / LIF / バイオマーカー / 着床能 |
研究実績の概要 |
反復着床不全は、生殖補助医療 (体外受精・胚移植) における主要な問題となっている。 反復着床不全に対して、現時点では子宮内膜を採取して着床能を評価する方法があるものの、診断精度についてのエビデンスは確立していない。また、子宮内膜採取法の周期では胚移植を行うことができない。このように既存の検査では、胚移植に適した子宮の状態を正確に評価することは依然として困難である。これまでのマウスモデルの研究などから、白血病阻止因子(LIF)が胚接着に必須の因子として知られており、子宮内膜のLIF発現をバイオマーカーとして用いるという試みも報告されている。そこで、子宮頸部と子宮内膜の遺伝子発現の同期性を明らかにし、胚移植施行を妨げない非侵襲的な着床能の新規評価法の開発を目指して本研究を行った。マウスとヒトの子宮頸部のLIFに焦点を当てて研究を進めたところ、マウスの着床期において、子宮内膜と同様に、子宮頸部上皮においてもLIFが高発現していることが判明した。さらに、子宮頸部のLIF発現は、薬剤誘導性の着床不全マウスモデル(RU486およびパラコート)で低下することがわかった。またマウスと同様に、ヒト子宮頸部上皮も、着床期にLIF発現が高いことが明らかとなった。これらの結果は、子宮頸部上皮細胞のLIF発現を調べることにより着床能が評価できる可能性を示しており、子宮内膜採取法の代わりとして子宮頸部細胞診同様に子宮頸部細胞を採取してその遺伝子発現を調べることにより着床能を評価できること、また子宮頸部細胞のLIFが着床能を評価するバイオマーカーとして利用できる可能性が示された。今後は、LIF以外の遺伝子が着床能のバイオマーカーになりうるか、検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に予定の研究が遂行できている。その結果として成果が得られており、既に英文論文を発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
順調に研究が推進できており、今後も予定された研究を推進する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウス子宮頸部細胞におけるLIFの解析成果が上がったため、成果が上がった研究を優先的に推進した。そのためマウス子宮頸部細胞を用いた網羅的解析は翌年度にずれ込んだため一部の経費の執行がやや遅れているが、次年度に当初予定された研究をすべて完了するつもりで研究を進めている。
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