研究課題/領域番号 |
22K19596
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大須賀 穣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80260496)
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研究分担者 |
廣田 泰 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40598653)
藍川 志津 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (80884577)
赤枝 俊 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (10898084)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 子宮内膜 / ヒストンメチル化 / 活性化胚盤胞 / 着床能 / 着床不全 / エピゲノム調節 |
研究成果の概要 |
子宮内膜のヒストン修飾による着床機構を調べた。着床期ヒト子宮内膜において、H3K27me3の標的遺伝子群の発現上昇が着床不全群で生じた。H3K27me3修飾酵素EZH2がヒト着床不全群で低下した。着床直後のマウス子宮内膜上皮はH3K27me3や細胞増殖に関連する遺伝子を発現していた。H3K27me3経路とその調節を行うPRC2に関連する遺伝子が着床不全群で低下した。子宮特異的EZH2欠損マウスは着床期子宮内膜の細胞増殖異常と胚浸潤障害を伴う着床不全を呈した。マウス着床期子宮内膜では、Ezh2がH3K27me3修飾を介し、細胞周期遺伝子の特に有糸分裂に関わる遺伝子発現を抑制した。
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自由記述の分野 |
産婦人科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物学としても臨床医学としても未解明な着床に着目し、子宮内で起こる子宮のエピゲノム変化の意義を示した。特に、「子宮内膜のエピゲノム調節機構による胚着床」は世界的にも十分に検証されていない新しい発想であったことから、今まで解明されていなかったヒト着床期子宮内膜の機能的マーカーを新規に見出すことができた。本研究の成果により、子宮内膜のエピゲノム調節が子宮内環境を整え、子宮と胚の相互作用による胚着床の成立を可能にしていることが明らかとなった。本研究により着床の科学的理解が促進され、子宮内膜の着床能バイオマーカーを見出すことができた。今後の研究により、着床不全の治療法開発への進展が大いに期待される。
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