研究課題/領域番号 |
22K19611
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 茂樹 東北大学, 大学病院, 講師 (30549762)
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研究分担者 |
山崎 研志 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (40294798)
山田 聡 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40359849)
土屋 志津 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (60610053)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | IKBZ / ダイレクトリプログラミング / ATAC-seq / エピゲノム・トランスクリプトーム統合解析 |
研究実績の概要 |
相分離ツールによる転写ハブの不溶化用融合タンパク質発現用ベクターの作製を行った。東北大学動物実験施設改修後のIKBZ KOマウスの再立ち上げを行い、Het同士の掛け合わせにより複数のIKBZ KOマウスを得ることができた。IkBZ KOマウスおよび野生型マウスの切歯を顕微鏡下で分割後に組織培養を行い、発現用ベクターを用いて融合遺伝子を導入したところ、低い陽性率であったもののGFP陽性の細胞が象牙芽細胞層に存在した。その後、歯髄組織を剥離し象牙質表面に残存する象牙芽細胞に青色光を照射した後に細胞を溶解させゲル分離フィルターで転写ハブの単離を試みた。当初は、単離した転写ハブからタンパク質とRNAをそれぞれプロテオーム解析とRNA-seq解析にて同定する予定であったが十分な量が得られなかったため、転写ハブにおいてIkBZがインシュレーター(局所クロマチンの区切り壁を形成する因子)の維持に関与している可能性を考えた。そこで得られた転写ハブにおいて、インシュレータータンパク質CTCFやBorisの発現を検討したところ、IkBZ KOマウスで増加していた。続いて、インシュレーターによるゲノムの区切りが、象牙芽細胞分化に影響を与えているのかを解析するため、ヒト歯髄幹細胞の細胞分化過程におけるクロマチンアクセシビリティの変化を解析したところ、12日間の分化培養前後でCTCFのコンセンサスDNA結合配列が共通して集積していた。CTCF近傍遺伝子のGene Ontology解析では、培養12日目においてのみ、TEADによって転写制御を受けるHippo signaling pathwayが上位にランクされた。以上より、ヒト歯髄幹細胞の分化過程において、CTCFによる局所クロマチンの3D構造変化が分化指向性遺伝子座の選択的オープンクロマチン化を引き起こすことで分化指向性遺伝子の発現が誘導されることが示唆された。
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