研究実績の概要 |
本研究目的である、口蓋発生メカニズムの解明のため、口蓋突起癒合部におけるFilamin A (Flna)の発現に注目し、主に次の3項目の研究を実施した。1つ目は、2022年度に作成したKRT14-Cre, Flna floxマウスの解析である。KRT14-CreマウスおよびFlna floxマウスを交配し、胎生13.5日および14.5日のKRT14-Cre, Flna floxマウスを摘出後、口蓋組織の薄切切片を作成し、FLNA, E-cadherinおよびTGF-betaシグナリングの下流で発現するタンパクの産生を対照群と比較した。2つ目は、同じくKRT14-Cre, Flna floxマウス口蓋組織の器官培養を行い、メカニカルストレスがKRT14-Cre, Flna floxマウス口蓋組織の発生に与える影響を検討した。胎生13.5日および14.5日のKRT14-Cre, Flna floxマウスの口蓋組織をメカニカルストレスの付与群、非付与群に分け、24時間の培養を行った後、TGF-betaシグナリングの下流で発現するタンパクの産生量をウエスタンブロット法にて比較した。3つ目は、昨年度に引き続き、Nanostring社のGeoMXを用いた空間的トランスクリプトーム解析を行うための準備実験を行なった。具体的には、胎生14.5日のKRT14-Cre, Flna floxマウスの口蓋組織のパラフィン薄切切片を作成し、GeoMXのコールドランを行った。 さらに、これまでの結果を纏めDevelopmental cell, Nature communications, EMBO, Journal of Clinical Investigationなど幾つかの発生学の雑誌に投稿したが、まだ論文受理には至っていない。
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