本研究は脂質異常症に伴い、そのリポ蛋白質分布パターンがHDLからLDLに大きくシフトする機能性脂質Xに着目し、LDLに分布した当該脂質Xの生理活性・標的分子・生活習慣病の病態進行に与える影響を明らかにすべく企画された。 当該脂質Xを含むLDLの生理活性として炎症惹起作用が示唆され、その作用標的分子の候補を見出すことに成功した。また、CRISPR-Cas9システムを用いて、上記標的分子の遺伝子欠損マウスの作出および繁殖に成功し、LDL分布型脂質Xの病態生理学的意義の解析を行う上で必要なマウスが得られた。
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