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2023 年度 実施状況報告書

ピンク歯現象の発色および退色機序に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K19644
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

櫻田 宏一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10334228)

研究分担者 峰岸 沙希  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (00882820)
上村 公一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30244586)
鵜沼 香奈  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授(キャリアアップ) (30586425)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワードピンク歯
研究実績の概要

本研究は、古くから縊死や絞死の際に見られるとされてきたピンク歯現象における発色及び退色機序を明かにし、ピンク歯と死因との関連に明確な結論を提示することを目的としている。昨年度は、頸部圧迫による窒息死での鬱血した歯髄腔内状況を再現するために、ヒト切歯に類似の構造を持ち、形態の個体差が少なく、大量に入手可能なウシ切歯及び血液を用いて各種実験が可能な実験系を確立した。また、従来の歯の色調評価には、淡ピンク色、ピンク色あるいは赤紫色などの表現で識別する主観的な肉眼観察が用いられてきたが、本研究では歯を歯根部、歯冠部はさらに3分割に区分けし、色を画像データとして取り組み、色相スケールを考慮した評価方法及びL*a*b*を考慮した評価方法の2種類による客観的な評価法の検討を行い、色相・彩度・明度などの数値化による有用な評価方法を確立した。本年度は、これらの実験系を用いて、光、酸素、温度、湿度あるいは軟組織の残存などの各種外部環境下による色調変化に関する詳細な検討を行った。その結果、好気的条件下での発色の抑制、非遮光条件下で早期退色、低温条件で鮮紅色を呈し、高湿度及び軟組織条件下では3日に赤味の強い傾向を示した。さらに、一酸化ヘモグロビンや好色色素産生菌の関与に関する予備的検討を行った。これらの成果を国際誌に掲載させることができた。さらに、頸部圧迫による窒息死の際の口腔内組織における影響についての関連論文を総説としてまとめ、国際誌に掲載させることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度確立したウシ歯及び血液を用いたピンク歯モデル及び色調評価法を用いて、予定した各種外部条件下での実験を行うことができ、有意なデータを得ることができた。また、それらの成果を論文として国際誌に掲載させることができた。

今後の研究の推進方策

確立した実験系を用いて、一酸化ヘモグロビン及びその分解物の変動と色調との関連、並びに紅色色素産生菌による腐敗の関与について、生化学的、細菌学的及び分子生物学的手法を用いたより詳細な検討を行う。これにより、ピンク歯現象と死因との関連を明かにする。

次年度使用額が生じた理由

本年度計画していた海外の国際学会への参加が中止となったこともあり、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Study on the mechanism of the pink tooth phenomenon using bovine teeth:a pilot study2023

    • 著者名/発表者名
      Nozomi Sumi, Saki Minegishi, Jun Ohta, Hajime Utsuno, Koichi Sakurada
    • 雑誌名

      diagnostics

      巻: 13 ページ: 2699

    • DOI

      10.3390/diagnostics13162699

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Effects on oral tissues of asphyxiation caused by cervical compression: The pink teeth phenomenon in Kato's studies (1941)2023

    • 著者名/発表者名
      Koichi Sakurada
    • 雑誌名

      Legal Medicine

      巻: 64 ページ: 102284

    • DOI

      10.1016/j.legalmed.2023.102284

    • 査読あり
  • [学会発表] ピンク歯現象における発色機序に関する研究‐ヘモグロビン及び分解物、並びに紅色色素産生菌との関与の検討‐2023

    • 著者名/発表者名
      壽美 望、峰岸沙希、宇都野 創、並木修司、戸谷麻衣子、大田 隼、斉藤久子、 櫻田宏一
    • 学会等名
      日本法歯科医学会第17回学術大会
  • [学会発表] ウシの歯を用いたピンク歯現象のメカニズムに関する予備的検討2023

    • 著者名/発表者名
      壽美 望、峰岸沙希、宇都野 創、並木修司、戸谷麻衣子、大田 隼、斉藤久子、櫻田宏一
    • 学会等名
      第92回日本法医学会学術関東地方集会

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公開日: 2024-12-25  

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