研究実績の概要 |
今年度は昨年度の結果を発展させ、詳細な実験と繰り返し実験を行い論文への準備を行なった。特に、スピルリナの効果について、4、6週での効果しか見ていなかったことから、本年度では、4,6,8週、5,7,9週でのセルカリア数をチェックする2回の実験を行なった。これにより、感染週例の早い時期では、効果は大きいが8,9週まで投与を繰り返しても差が生じないことが分かった。これにより、スピルリナの効果は感染初期に起こっていることが確認された。 また、主要な効果成分としてフィコシアニンを使用した実験を行なった。青色天然色素であるフィコシアニンはスピルリナの主要成分であり過去には巻貝への殺傷効果も報告されている。しかしながら、本実験ではスピルリナ単体に含まれるフィコシアニンの倍量を投与してもスピルリナの方が効果が高かった。このことからフィコシアニンはスピルリナの効果を直接説明できないと考えられた。また、フィコシアニンにはセルカリアへの直接殺傷効果は全く観察されなかった。 また、ラオスでのフィールド試験の準備として現地の巻貝を使用した実験を予定していただ、採取時期に出張できなかったために、実施できなかった。代わりにタイ肝吸虫を媒介するBithynia属の巻貝への摂食実験を行なった。結果的には、スピルリナによる毒性は全く観察されなかったが、スピルリナの嗜好性は低い結果となった。 以上の成果を基に論文を準備し、次年度早々に投稿を予定している。
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