研究課題/領域番号 |
22K19649
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田村 典久 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (00739435)
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研究分担者 |
田中 秀樹 広島国際大学, 健康科学部, 教授 (30294482)
藤本 綾子 関西医科大学, 看護学部, 助教 (90817024)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 光曝露 / コホート研究 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、現在、実施中のコホート研究の参加者を対象として、日中や夜間の光曝露量とメラトニン分泌量や睡眠問題の関連を横断的・縦断的に分析し、日常生活下での光曝露量の多寡から小児の睡眠問題の発症メカニズムや行動問題との関連を明らかにすることである。この目的を達成するため、今年度は、小児13名を対象として、日中や夜間の光曝露量とメラトニン分泌量や睡眠問題の関連を横断的に分析し、日常生活下での光曝露の多寡から睡眠効率や夜間覚醒回数との関連を予備的に検討した。小児13名(平均5.0歳)を対象として、アクチグラフ内臓の照度計を用いて日中の光曝露量を測定した。アクチグラフ内臓の照度計は7日間連続で測定して、測定2日目にメラトニン分泌の指標である尿中6-sulphatoxymelatonin排泄物を採取した。その結果、日中の光曝露量の増加は睡眠効率と正の相関を示し、夜間覚醒回数と負の相関を示した。日中の光曝露と尿中6-sulphatoxymelatonin濃度には有意な関連が認められなかったが、両者の相関係数は正方向を示していた。この予備的研究の成果を発表した第31回睡眠環境学術集会では優秀発表賞を受賞した。一方、サンプルサイズが小さいため、睡眠問題をアウトカム、日中や夜間の光曝露量を独立変数とした多変量解析を実施することができず、研究の課題となった。次年度は、サンプルサイズを増やすことに専念する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近隣の保育園から研究の協力体制が得られた。尿サンプルの保存用冷凍庫の確保もできた。現在、Actigraphと照度計を購入するとともに、予備的研究から明らかになった課題点を精査した研究の実施手続きをまとめている。
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今後の研究の推進方策 |
保育園の協力が得られたため、当該保育園に在籍する3歳以上の幼児を対象として調査を実施する。次年度は研究参加人数を増やし、日常生活下での光曝露量の多寡から小児の睡眠問題の発症メカニズムを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学会への参加が難しくなったため、今年度使用額の一部を使いきれず、次年度に繰り越す必要があった。次年度は複数の学会への参加を予定しており、次年度中に繰越金をすべて使う予定である。 使用計画としては、研究分担者の旅費等に使用する予定である。
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