妊娠中の加熱式たばこの使用により出生雄性マウスの生殖機能が悪化したことから、胎児期に何らかの影響が生じていることが考えられる。そこで、妊娠マウスに加熱式たばこを曝露し雄性胎児の性分化、胎児発達などへの影響が生じるかについて検討した。加熱式たばこの胎児期曝露により、胎齢14.5日目の雄性胎児重量が対照群と比較して低下すること、胎齢11.5日目でsry (性分化関連遺伝子の一つ)の一過性の発現誘導が生じるが、その誘導が遅延することを明らかにした。これらのことから、加熱式たばこの胎児期曝露は雄性胎児の発育遅延と性分化の遅延を惹起し、出生後に生じる雄性生殖機能の悪化の一端であることが示唆された。
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