研究課題/領域番号 |
22K19683
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
五十嵐 歩 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (20595011)
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研究分担者 |
伊藤 研一郎 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任助教 (30805578)
山本 則子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (90280924)
似内 遼一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (90795999)
松本 博成 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (50966108)
高岡 茉奈美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (60967446)
荻野 亮吾 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (50609948)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 認知症にやさしいまちづくり / 地域包括ケアシステム / 高齢者 / VR |
研究実績の概要 |
本研究では、共感的理解によって支援行動を生起させるVRプログラムを活用した「認知症にやさしいまち (Dementia-friendly Community: DFC)」づくりに取り組み、その効果を地域住民の意識・支援行動の指標を用いて明らかにすることを目的とする。研究1年目の令和4年度は、関係者との関係構築、DFC構築の戦略立案およびDFC指標の検討を行った。研究2年目の令和5年度は、介入前評価、地域住民向けVRプログラムの試行、学校教育におけるDFC教育プログラムの開発を行った。介入前評価は、前年度に検討したDFC指標を用いて、地域住民から無作為抽出した対象者(n=1050)への自記式質問紙調査を実施し、402名から回答を得た(回収率38.5%)。地域住民に対するアプローチの方策を検討するため、健康づくり推進員および町役場職員へのVRプログラムを実施した。さらに小学校教育と協働した高齢者・認知症について学ぶ授業づくり(DFC教育プログラムの開発)を行い、児童への授業の実施および評価を行った。授業は、VRプログラムの映像教材により認知症のある高齢者に対する共感を醸成するとともに、地域で暮らす高齢者を具体的にイメージして、必要な支援を児童が主体的に考えられるよう設計した。児童を対象とする質問紙調査の中間解析において、認知症のある人への態度および援助行動意図が有意に改善する効果がみられた。自治体との共催で、1年間の取り組み内容と成果に関する年度報告会を開催し、約200名の住民が参加した。 3年目は、学校教育から地域へプログラムを展開することでまちづくりを推進するとともに、2年目と同時期に自記式質問紙調査を実施し、認知症に対する住民の意識・態度の変化を評価する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り介入前調査を実施するとともに、DFC教育プログラムの実施・評価が完了し、DFC構築に向けた効果的な介入方策を見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
小学校から地域に向けたまちづくりの方策をより具体的に検討し、実行する。最終年度の令和6年度は、地域住民を対象とした介入を行い、質問紙調査およびインタビュー調査により取り組みの評価を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究代表者・分担者が、直接まちづくりの取り組みを進めたため、人件費は発生しなかった。次年度は、さらに規模を広げて取り組みを推進するため、今年度分に計上した人件費も併せて使用する予定である。
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