研究実績の概要 |
すべての医療者にとっての理想は、一人一人の患者さんにその個人特性に応じたベストの 治療を選択・提供することである。現行の医療のパラダイムでは、治療効果のベストエビ デンスはランダム化臨床試験およびそのメタアナリシスから得られるが、それはあくまで 介入群の平均的効果に過ぎない。本研究では日本において大きな国家的負担となっているうつ病を取り上げ、大規模データから精緻な個別化医療evidence-based personalized medicineモデルを構築し、ユーザビリティの高い共同意思決定ツールを開発することを目的とし、ファーストライン治療の異なった抗うつ剤による治療効果を予測する機械学習モデルを異なった手法を用いて開発した。(Benrimoh et al, 2024, American Journal of Geriatric Psychiatry)(Bossarte et al, 2023, Journal of Affective Disorders)。抗リウマチ薬を例に、統計学的な手法による個別化医療モデルを検討した (Luo et al, 2023, JMA Network Open)。さらに、Efthimiou et al (2023, Statistics in Medicine)ではこれらの個別化医療モデルの性能の評価方法を、Deisenhofer et al (2024, Behavior Research and Therapy)では個別化医療モデル開発の方法論的課題を包括的に検討した。
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