今後の研究の推進方策 |
本年度得られたTREM2欠損マウスや各糖尿病・認知症各モデルマウスの血清・単球・脂肪組織を用いて、各群別に網羅的遺伝子発現解析、メタボローム解析、microRNAアレイとエピゲノム解析を施行し、各オミックス情報の連結により、脳筋脂肪連関悪化プロセス(エピゲノム~遺伝子発現・メタボライト変化)を可視化・プロファイリングし、認知症・サルコペニア惹起共通因子を探索・同定する。 また、本年度までに構築した認知症・MCIコホート、コグニティブフレイルに関する健診コホートや肥満症・糖尿病コホートのデータベースを用い、肥満度, 筋肉量, 糖脂質代謝, 炎症・動脈硬化指標, 単球機能(M1/M2・TREM2発現), 血中sTREM2濃度, 新規トリガー分子血中濃度, 認知症指標[認知機能検査・脳MRI/PET、血中Aβ・tau],サルコペニア指標[骨格筋量指標・握力等]について横断・縦断解析しながら、取得した血液検体を活用して、メタボローム解析やmicroRNAアレイなどより、認知症・サルコペニア・糖尿病惹起共通因子の同定を検討し、同時にsTREM2受容体やsTREM2機能制御トリガー分子等の同定も進めていく。 以上より、脳-筋-脂肪の病的多臓器連関のメディエーターとして脳・筋肉・脂肪組織に発現するTREM2・血中sTREM2に着目し、糖尿病における脳-筋-脂肪連関悪化・コグニティブフレイルの分子機構の解明、脳-筋-脂肪連関悪化の包括的な治療法を確立し、健康寿命延伸の為の認知症・サルコペニアの革新的予知指標・治療戦略の開発を目指す。
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