研究課題/領域番号 |
22K19753
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
桑原 知巳 香川大学, 医学部, 教授 (60263810)
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研究分担者 |
今大路 治之 (中山治之) 香川大学, 医学部, 講師 (80294669)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 腸内細菌 / ブチリカム菌 / 自己免疫疾患 / 実験的自己免疫性脳脊髄炎 |
研究実績の概要 |
腸内細菌が宿主の免疫系に及ぼす役割が次々と明らかにされ、腸内細菌の代謝産物である酪酸が過剰な免疫を抑制する制御性T細胞の分化誘導因子であることが報告されている。本研究では酪酸産生菌であるブチリカム菌に自己免疫性疾患に関連する自己抗原を発現させ、この抗原特異的な制御性T細胞を誘導することにより、自己抗原に対する過剰免疫応答をのみを抑制する手法を確立することを目的としている。本年度は、実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルマウスの自己抗原であるMOGペプチドを効率よく発現する自己抗原発現ブチリカム菌の作製を試みた。C. butyricum JCM1391株由来N-acetylmuranoyl-L-alanine amidase遺伝子のcell wall binding repeatモチーフ(pfam01473)とMOGペプチド遺伝子およびHA-tagの融合遺伝子をE. coli-Clostridium分泌発現シャトルベクター pMTL83151にE. coliを宿主としてクローン化した。構築したプラスミドを接合伝達によりC. butyricum JCM1391株に導入した。作製した組換えブチリカム菌におけるMOGの発現をWestern blot法で確認したところ、培養上清中にMOGを高度に発現していることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度はブチリカム菌でMOGを産生させるための発現ベクターの構築を目的としていたが、N-acetylmuranoyl-L-alanine amidase遺伝子のcell wall binding repeatモチーフ(pfam01473)を利用することで、培養上清中にMOGを大量に遊離させる目標が達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、作製したMOG産生ブチリカム菌で、細胞壁にMOGが目的通りアンカリングしているか否かを確認する。また、ブチカム菌の酪酸産生量を増加させる手法の開発を目指す。MOGを発現していても、酪酸の産生が十分でなければ、MOG特異的制御性T細胞の分化誘導が不十分になると考えられる。これらの手法を開発した後、MOG産生ブチリカム菌が実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルマウスの神経症状を抑制できるか否かを確認する予定である。
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