研究課題/領域番号 |
22K19788
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
雨宮 智浩 東京大学, 情報基盤センター, 教授 (70396175)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 情動触 / 体性感覚 / ソーシャルタッチ / VR |
研究実績の概要 |
本研究申請では,バーチャルな身体映像と同期した「振動の仮現運動」や「擬似的伸展感を生む非対称振動」を用いて,身体に生じる快・不快の情動を変調させ,情動体験の生起を制御する手法の実証と適用限界の検証および工学的再現を目的としている.そのため,(1)擬似伸展感を生み出す非対称振動刺激,(2)振動子マトリクスを用いた触仮現運動刺激,(3)上記の触刺激とVR映像の組合せによるクロスモーダル効果によって生じる情動を主観評定および生理指標によって捉え,提示装置開発の設計指針を与えることの3つを研究項目として掲げている. このうち,本年度では,前年度に引き続き,毛筆によるストローク刺激を行う装置の改良と,触仮現運動を実現するための振動マトリクスの作成を行った.特に有毛部として背部や臀部に着目し,着席により身体と接する座面に組み込んだ振動子のマトリクスを用いて,往復で強度の異なる非対称振動によって「擬似的な牽引力」を作り出す手法を検証した.牽引力錯覚に関する先行研究では無毛部である,手部以外に提示した場合の研究がされていないため,基礎的な検証を実施した.評価実験の結果,非対称振動による牽引力錯覚は背部でも生起されることが分かり,方向が切り替わるような刺激でより明瞭にわかることや,接触圧力が2 kgf 程度のときに知覚が大きくなることがわかった.また,振動刺激の周波数や波形についても検証を進め,信号は正弦波信号65Hz が最も適していると結論づけた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
外部実験参加者を対象とした知覚評価実験では,手部と比較して,牽引力を提示するための適切なパラメータは実験参加者間のばらつきが大きく,追加実験が必要と考えられるため.
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今後の研究の推進方策 |
外部からの実験協力による評価実験を継続して行う.特に性差,年齢差,接触圧力,接触部の素材(ヤング率)などを考慮した追加実験を行う.その後,VR映像との同期による評価実験を実施する.実験結果をまとめ,研究会などで発表する.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究会などでの発表を第3年度に実施するため,関連する旅費と外部被験者による実験謝金を次年度に使用するため.
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