研究課題/領域番号 |
22K19835
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
島田 敬士 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (80452811)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 学習分析 / カリキュラムマップ / 学習眺望マップ / 横断分析 |
研究実績の概要 |
ラーニングアナリティクス(学習分析)研究は,教育データの収集,分析を経て現場へのフィードバックを行うサイバーフィジカルシステムを実現し,教育や学習の最適化を目指す学問分野である.当該分野の研究は,特定の科目や個別学習者の学習活動に着目し,詳細な活動分析や学修成果との関係分析を行うものが主流である.そのため,科目間の関係や接続性に対する研究は少なく,ラーニングアナリティクスの成果を科目横断的あるいは長期に渡って各ステークホルダーに提供するには課題が残っている.そこで,教学マネジメント分野においてカリキュラムの設計や評価に用いられるカリキュラムマップの概念と,教育・学習活動の数値化や改善のフィードバックループを実現するラーニングアナリティクス(学習分析)を融合し,カリキュラム設計者,教師,学生など各ステークホルダーがそれぞれの立場でカリキュラムポリシーと現場の教育・学習を結び付けて,カリキュラム,教育手法,学習活動の計画,省察,改善の各種活動を行うことを支援する「PAnoramic Learning Map: PALM(眺望学習マップ)」システムの開発と評価を行う. 2022年度は,シラバスシステムから学科やコースごとにカリキュラムに登場する科目情報を収集し,科目間関係の類似性を数値化する方法を開発した.また,カリキュラムマップの作成支援を行うWebインタフェースの開発に着手した.時系列軸と到達目標軸から構成されるカリキュラムマップに対して,シラバス情報をもとに科目の初期配置を行えるシステムを開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画にあげていた分析手法やWebシステムの開発は順調に進んでおり,それらの評価や効果検証もやや前倒しで進んでいるため.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,研究計画に沿ってシステム開発と評価を継続する.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は研究発表会がオンライン開催されたこともあり旅費の支出の必要性がなくなった.またシステム開発をすでに保有しているクライアントPCで進めることができたため,開発用のPCを購入する代わりに次年度に開発システムを稼働させるサーバ費に充てることにした.
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