研究課題/領域番号 |
22K19836
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
高間 康史 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (20313364)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | ユーザプロファイリング / 視覚的分析 |
研究実績の概要 |
本研究は,仮想ユーザとのインタラクションに基づく新しい情報推薦フレームワークの確立を目的とする.本年度は,昨年度に引き続き映画を対象アイテムとして,映画推薦システムを利用する典型的な利用者像を表す仮想ユーザ像の抽出方法,および仮想ユーザ像を利用したプロトタイプインタフェースの構築を中心に進めた. 仮想ユーザ像に関して,ChatGPTを利用したプロファイル(プロフィール)文生成方法を提案し,研究を進めた.この手法では,匿名大規模データから仮想ユーザ像作成のもととなるユーザ(あるいはユーザグループ)を選択し,そのユーザ(グループ)が評価した映画の中から嗜好を強く反映すると考えられるものを複数選択し,評価値とともにChatGPTに入力し,映画の嗜好に関するプロファイル文を生成させた.昨年度と同様のアンケート調査を行い,生成されたプロファイル文の妥当性について確認した.また,仮想ユーザのプロファイル文および指定映画に対する評価を参考にして,その映画を評価してもらう形式のアンケート調査も行った.このアンケートは情報推薦における仮想ユーザ像の有効性を評価することを目的としたものであり,調査の結果,回答者はプロファイル文の内容を理解して,映画の評価に利用していることを確認した. また,仮想ユーザを4名分プロファイル文とともに提示し,ユーザが指定した映画に対する各仮想ユーザの評価値を確認可能なプロトタイプインタフェースを実装してユーザ実験を行い,今後のインタフェース改善に有効なフィードバックを得た.この他,仮想ユーザ像発見のための視覚的分析の検討を行った他,映画以外を対象アイテムとした仮想ユーザ像抽出の準備として,レシピデータセットや楽曲データセットの分析,価値観モデルの研究なども進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
仮想ユーザ像の抽出手法の研究及びアンケートによる妥当性,有効性の検証を実施した他,プロタイプインタフェースの実装や仮想ユーザ像発見のための視覚的分析の検討など,次年度の研究に生かせる成果や知見が得られたため,おおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
プロファイル文の生成手法やユーザに提示する情報については引き続き検討を進めるほか,今年度開発したプロトタイプインタフェースの改良,仮想ユーザ像発見のための視覚的分析手法の研究を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定だったPCサーバは既存設備を利用できたため,次年度以降に更新予定である.その他,資料収集のための旅費などもオンライン参加などで不要になったため,次年度以降の学会参加やアンケート調査などに利用する予定である.
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