対流圏二酸化炭素の三酸素同位体組成は地球表層環境の炭素サイクルを定量化する上で有用なトレーサーとなる。しかし従来の二酸化炭素の三酸素同位体組成分析法は、危険性が高く、かつ入手困難な強還元剤を必要としたため、その実測は困難であった。そこで本研究は、強還元剤を一切使わずに二酸化炭素の高精度三酸素同位体組成分析を実現する自動分析計を開発した。具体的には、二酸化炭素を水分子に変換し、分光計を用いてこの水分子の三酸素同位体組成を測定した。そして都市域や森林等において、二酸化炭素の三酸素同位体組成の実測に成功した。
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