研究課題/領域番号 |
22K19864
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
姫野 修司 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (60334695)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | ゼオライト膜 |
研究実績の概要 |
大気中の二酸化炭素(CO2)を直接回収して利用する技術全世界で鋭意研究されている。しかし、大気中の窒素(N2)と酸素(O2)分子(0.36nm)とCO2分子(0.32nm)は分子径が0.03nmしか違わず、CO2分子と完全に分離可能な膜は存在しない。CO2とN2、O2の間の細孔(0.34-0.35 nm)を有するゼオライトを膜化すれば、「分子ふるい」で空気中からCO2を完全に分離可能である。本研究では、大気中主成分である窒素(N2)と二酸化炭素(CO2)を分離可能な細孔を有するAFX型ゼオライト(AFX)を膜化し、N2分子を完全に分離可能なCO2の創製を目的とする。2か年で実施する計画の初年度では、AFX型ゼオライト結晶の構造解析を行った。これまでに、FAUゼオライトを前駆体として高純度AFX結晶の合成に成功したため、AFXゼオライトの結晶表面、細孔内の状態やX線による結晶構造解析、結晶の形状の電子顕微鏡観察、吸着等温線から細孔径分布などの評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は2か年で実施する計画で、上述のように初年度では、AFX型ゼオライト結晶の構造解析を行う計画に対して、高純度AFXゼオライト結晶の合成が完了しており、AFXゼオライトの結晶表面、細孔内の状態やX線による結晶構造解析、結晶の形状の電子顕微鏡観察、吸着等温線から細孔径分布などの評価を行うなど、当初の計画通り順調に研究が進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、前駆体ゼオライト膜の製膜を行う。AFX膜の前駆体となるFAU膜が重要である。欠陥のない緻密なAFX型ゼオライト膜を得るためには、FAU膜も緻密である必要がある。既存の研究結果を参考にAFX膜の転換に適したFAU膜の取得を試みる。その後、FAUからの転換によるAFX膜の製膜を行う。AFXの薄膜化のためにゼオライト転換法を製膜に応用する。AFXへの転換条件(構造規定分子の種類、添加量、合成温度、合成時間)と、FAU膜の製膜条件(膜厚、CO2透過速度)を検討し、AFX転換製膜方法を確立することを目標に実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に必要な備品について、研究内容から仕様を精査し、それらの購入を試みたが、社会情勢により、それらの調達に張時間を要することが判明したため。
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