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2022 年度 実施状況報告書

熱帯の陸域生態系におけるマイクロプラスチック汚染の実態把握

研究課題

研究課題/領域番号 22K19877
研究機関中部大学

研究代表者

松田 一希  中部大学, 創発学術院, 准教授 (90533480)

研究分担者 半谷 吾郎  京都大学, 生態学研究センター, 准教授 (40444492)
鎌田 昂  静岡理工科大学, 理工学部, 准教授 (40815859)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワードマイクロプラスチック / 霊長類 / ボルネオ / マレーシア
研究実績の概要

マイクロプラスチック(以下MPs)による海洋汚染は、深刻な社会問題であるが、その上流域である陸域生態系も含めたMPs影響評価の総合的研究は未踏である。本研究では、MPsの影響評価を陸域に広げ、熱帯雨林という複雑な食物連鎖網での動物への汚染状況を把握することが目的である。研究対象地域は、東南アジア・ボルネオ島のマレーシア領のサバ州である。

初年度は、本研究を実施するにあたり、MPsの分析を現地で実施するための基盤整備を行った。新型コロナウイルス感染症で渡航できなかった期間が長かったため、調査許可証を申請する必要があった。そのため、サバ州内の関連省庁を訪問して書類を集め、許可証の申請に必要な書類を揃えた。

また、マレーシア・サバ大学の生物工学研究所を訪問し、実験設備の確認と、実際の分析方法についてマレーシア側の研究者と打ち合わせを行った。加えて、実際にサンプルを収集する予定である、サバ州のキナバタンガン川下流域を視察し、どのようにサンプル収集を実施するかの具体的な計画を、マレーシア側の共同研究者と打ち合わせをした。川沿いをボートでセンサスし、サンプルの収集予定している陸生(樹上性)の霊長類(テングザル、シルバーラングール、オランウータン、カニクイザル、ブタオザル)を観察し、MPs分析で用いる糞サンプルの収集が十分に可能であることも確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の目標は、次年度から本格的に研究を実施するための現地マレーシアにおける研究基盤の構築であった。よって、調査許可証の申請、分析機器の現地での確認とマレーシア側研究者との分析方法の打ち合わせ、サンプルを収集するフィールドの視察、を実施することができたため、研究はおおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

次年度からは、キナバタンガン川の河口から上流に向かって、ボートによるセンサスを本格的に実施することで、陸生動物の分布状況を確認する。またセンサスと同時進行で、マイクロプラスチック(MPs)を分析するための陸生動物の糞サンプルの収集を行う予定である。動物の糞サンプルだけでなく、川の水も一定区画ごとに収集し、MPsへの汚染度を評価する。収集したサンプルは、随時マレーシア・サバ大学のラボに運び、MPsの抽出実験を行うことで効率的に研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由


調査許可取得が予定よりも遅れたため、予定していた海外渡航が実施できなかったことが主な理由で、それに伴い、現地で予定していた実験も実施できず、試薬等の購入もできなかった。許可証が取得でき次第、予定していた海外渡航と、現地での実験を速やかに遂行し、経費を使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] マレーシア・サバ大学(マレーシア)

    • 国名
      マレーシア
    • 外国機関名
      マレーシア・サバ大学
  • [雑誌論文] Gut microbial community in proboscis monkeys: implications for effects of geographical and social factors2023

    • 著者名/発表者名
      Jose Lilian、Lee Wanyi、Hanya Goro、Tuuga Augustine、Goossens Benoit、Tangah Joseph、Matsuda Ikki、Subbiah Vijay Kumar
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1101/2023.03.14.532648

    • オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2023-12-25  

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