研究課題/領域番号 |
22K19879
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
上田 正人 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (40362660)
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研究分担者 |
目崎 拓真 公益財団法人黒潮生物研究所, 研究部局, 研究所長 (20840482)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | ポリプ / ストレス忌避反応 / チタン |
研究成果の概要 |
サンゴ断片を浸漬した人工海水の塩分濃度を所定のプロファイルに沿って制御することで環境ストレスを与え,ポリプのベイルアウトを人工的に誘発する手法を開発した。純Ti板では,表面が粗くなるほど,早期に基盤密着する傾向が認められた。さらに陽極酸化処理を施すとその密着は早期化した。また,ホウ珪酸ガラス表面においても単離ポリプの早期密着,骨格形成が観察できた。QCM法を利用することで,ポリプやプラヌラが基盤に密着する様子を定量的に捉えることもできた。数cmのサンゴ断片から200-300個以上のポリプが採取できることから,高効率でサンゴの増殖起点をつくりだす新規な手法を提案することができた。
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自由記述の分野 |
材料物性
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サンゴにおいて効果的な増殖手法を見出すには,地道な正攻法では歯が立たない。従来の延長線上にない革新的な切り口が必要である。本研究では,研究が飛躍的に進んでいる再生医療の知見やテクニックをサンゴの増殖に利用した。具体的には,脊椎動物の骨再生の原理・手法をサンゴの増殖に転用・活用した。その結果,非常に効率的なサンゴ増殖方法を提案できた。さらに,一見,異分野にみえるのものが包括的に理解できた。また,これらの知見は,将来的に骨関連分野へ新たな知見を提案できると考えている。本研究で確立したポリプの人工的な単離とチタンへの固定方法は,特殊な装置や薬品を使用しないことから,世界中のあらゆる場所で実施できる。
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