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2022 年度 実施状況報告書

長期環境モニタリングに向けた化学センサのIoT化を実現する自己洗浄技術開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K19884
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

岩崎 渉  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (20712508)

研究分担者 竹村 謙信  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (10909831)
大曲 新矢  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (40712211)
山下 健一  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究センター付 (90358250)
森田 伸友  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (90807554)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワードホウ素ドープダイヤモンド / 電気化学 / 洗浄技術 / ナノ粒子
研究実績の概要

作用極に金、ホウ素ドープダイヤモンド(BDD)電極を用いて重金属測定時の汚れ状態と洗浄能について評価を行った。硫酸ナトリウム溶液中の100ppmの鉛を測定した後に、電極表面を純水で洗浄し、洗浄後に硫酸ナトリウム溶液中で測定をしたところ、鉛を洗浄しきれておらず鉛の信号が検出された。その後、作用極に高電圧印加を行い、硫酸ナトリウム溶液を交換して再度測定を行ったところBDD電極では鉛の信号が検出されず初期状態と同じ信号を示した。このことから高電圧印加による洗浄ができたことが確認された。
さらに本実験を連続して繰り返し測定するためにフローセルの作製を行った。BAS社製のフローセルを改良し、シリンジポンプでサンプルを送液しながらマイクロ流路内で電気化学測定ができるフローセルを作製した。流路の形状や厚みはBDD電極と本体の間のスペーサの形状を変えることによって変更することが可能である。
また、ナノ材料修飾BDD電極について材料探索を実施した。ベースとなる金ナノ粒子修飾電極より更に反応性の高いナノ粒子として、50-80 nm程度のバイメタリックな白金-パラジウム修飾BDD電極(Pt-Pd/BDD)の作製に成功した。その感度は金ナノ粒子修飾電極より5倍の感度を示した。金ナノ粒子電極であれば0.8 Vで金のイオン化が生じてしまい、ナノ粒子の脱離から活性が低下してしまう。今回作製したPt-Pd/BDDについては1.2 Vの印加においても表面上のナノ粒子が脱離しておらず、高活性ながら電極の自己洗浄にも耐えうる材料の候補として十分な機能を有する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高電圧印加による洗浄能の確認ができており、連続測定実験を行うためのフローセルも作成している。また、感度向上のためのナノ粒子に関しても感度を向上しつつより高電圧での洗浄に耐え得るナノ粒子の作製に成功している。これらのことから本研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

作製したフローセルを用いて、電極の繰り返し測定能と洗浄能を評価する。この時、電圧の印加方法等も検討し、洗浄能の向上とともに高感度化も目指す。更にナノ粒子材料の種類や粒子状態での配合について検討を進め、更に高電位側の洗浄電圧印加でも活性が低下しないナノ粒子修飾電極の作製を目指す。これらの技術を統合し、ヒ素、水銀、鉛などの厳しい環境基準が設定されている有害物質の長期連続測定を実施する。

次年度使用額が生じた理由

テクニカルスタッフの雇用を計画していたが、予定していたテクニカルスタッフが別業務に専念することとなり人件費がかからなかった。一方でこのスタッフはR5年度に本研究に専従して実施する計画となっており、R5年度の人件費は当初計画よりも高くなる予定である。R4年度にテクニカルスタッフが本研究に充当できなかった分については研究代表者および研究分担者が研究を実施することにより計画通り研究を推進できた。

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公開日: 2023-12-25  

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