研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、成分分析から得られる数千の膨大な匂い分子データに対して機械学習による相関付けを行い、呼気センシングによる生体状態モニタリングの可能性を探索した。環境変動に強いマーカー分子群の連動的な濃度変化挙動(アンサンブル性)に基づいて血糖値レベルを判定すると共に、集積化分子認識センサデバイスにより得られたデータに対しても同原理が適用可能なことを示すと共に、環境変動耐性を備えた堅牢な呼気センシングの原理実証に成功した。
ナノ材料化学
研究成果の学術的意義は、単一マーカー分子の高感度・高識別検出を目指す従来生体ガスセンシング研究の延長では実現困難な変動環境下における堅牢な生体化学情報の収集・モニタリング機能を実証した点にある。また研究成果における社会的意義は、得られた成果により生体ガスから化学情報を収集・利用する道筋が示され、生体ガスセンシングを介して従来血液検査からしか得られなかった生体化学情報を非侵襲で収集する技術へと展開が期待される点にある。