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2023 年度 実績報告書

細胞の高重力感知機構の解明と形質・分化制御への試み

研究課題

研究課題/領域番号 22K19898
研究機関東京都立大学

研究代表者

坂元 尚哉  東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (20361115)

研究分担者 藤江 裕道  東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (20199300)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワード生物・生体工学 / 細胞バイオメカニクス / 細胞骨格 / 高重力
研究実績の概要

コラーゲンゲル基質中に包埋した平滑筋細胞に対して,遠心分離機を用いて高い重力を負荷した後,細胞骨格であるアクチンフィラメントの蛍光染色を行った.通常重力環境で静置培養した細胞と比べて,細胞の生存率には高重力負荷の影響は見られなかった.高重力負荷直後には細胞骨格構造に顕著は変化は見られなかったが,その後通常重力環境で5日間培養した結果,収縮型平滑筋細胞マーカーの一つ平滑筋αアクチンで構成されたアクチンフィラメント線維の増加傾向が認められた.遠心せず通常重力環境で同期間コラーゲンゲル中で培養した平滑筋細胞にはαアクチン線維は観察されなかった.この結果はコラーゲンゲル中で三次元培養した平滑筋細胞へ高重力を負荷することで,平滑筋細胞形質を収縮型へ誘導できる可能性を示唆する.
また,高重力負荷がアクチンフィラメント構造張力に及ぼす影響を明らかにするため,張力発生指標となるアクチンフィラメント構造構成タンパク質ミオシン軽鎖リン酸化を調べた.コラーゲンゲル基質中で三次元培養した平滑筋細胞に対して高重力を10分間負荷した後,免疫蛍光染色法を用いてリン酸化ミオシン軽鎖を可視化し,顕微鏡観察した.その結果,コラーゲンゲル中の平滑筋細胞において,高重力負荷直後にリン酸化ミオシンが認められ,負荷後60分後まで通常重力環境で静置培養した細胞でもリン酸化状態が確認された.二次元平面基質に培養した平滑筋細胞に対しても同様に高重力負荷後,免疫蛍光観察を行ったが,ミオシンのリン酸化は見られなかった.この結果は高重力負荷によるアクチンフィラメント張力上昇を示唆しており,高重力感知および応答メカニズムにおいてアクチンフィラメントの関与が考えられた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] コラーゲンゲル基質弾性率が脳血管内皮細胞の細胞間接着形成に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      髙橋幸慈,山﨑雅史,藤江裕道,坂元尚哉
    • 学会等名
      日本機械学会 第34回バイオフロンティア講演会
  • [学会発表] Vascular Smooth Muscle Cell Alignment Induced by Cocultured Endothelial Cells Subjected to Wall Shear Stress2023

    • 著者名/発表者名
      K. Sawasaki, M. Nakamura, N. Kimura, K. Kawahito, H. Fujie, N. Sakamoto
    • 学会等名
      2023 BMES Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] 壁せん断応力に対する内皮細胞を介した血管平滑筋細胞の形態変化2023

    • 著者名/発表者名
      沢崎薫,中村匡徳,木村直行,川人宏次,藤江裕道,坂元尚哉
    • 学会等名
      日本機械学会2022年度年次大会
  • [学会発表] 特異的血流環境を模擬した高壁せん断応力が血管モデル内平滑筋細胞の表現型転換へ及ぼす影響の評価2023

    • 著者名/発表者名
      沢崎薫,中村匡徳,木村直行,川人宏次,藤江裕道,坂元尚哉
    • 学会等名
      第65回日本平滑筋学会総会
  • [学会発表] 壁せん断応力環境下における内皮細胞と共培養した血管平滑筋細胞の形態変化2023

    • 著者名/発表者名
      沢崎薫,中村匡徳,木村直行,川人宏次,藤江裕道,坂元尚哉
    • 学会等名
      第62回日本生体医工学会年会
  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      http://www.comp.sd.tmu.ac.jp/mechanobio/index.html

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公開日: 2024-12-25  

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