研究実績の概要 |
これまでの基礎研究から、マクロファージが線維化改善には非常に重要な役割を果たすことが明らかになっている。(Hepatology 2011, Nature Medicine 2014) また、実際英国エジンバラ大学では自己のマクロファージを誘導し、組織修復マクロファージへと導き、投与を行うマクロファージ療法(Nature Medicine 2019)の治験がスタートしている。このように肝硬変ではマクロファージの状態をコントロールすることで組織修復を促す事ができる可能性がある。我々は、肝硬変の治療を想定し、間葉系幹細胞のエクソソームをベースにそこに、組織修復マクロファージを誘導すると推定されるタンパクを多数、大量に持続的に導入し効果を高めたスーパーエクソソームの産生を行い、その投与により組織修復マクロファージを大量に生体内で導き肝硬変の線維化改善、再生促進を実験的に証明 する事を目的としている。センダイウイルスベクターを用いて現在までに、tdTomatoのタンパクをエクソソーム内に高発現させることを確認し,細胞外小胞の投与後の分布が確認できる事を確認してきた。一方、マクロファージを組織修復マクロファージへと誘導すると考えられていたAnnexin A1も同様の手法で入れて見たが、今回in vitroにおいて有効だと証明する事ができなかった。原因追及に様々な検討を行った。一つにCD63と目的タンパクが融合してエクソソーム内に入れるシステムがよくない可能性が考えられ、引き続き検討を行っているところである。
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