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2023 年度 実績報告書

冬眠中の心筋細胞のT管膜維持機構の解明による革新的心不予防法の創出

研究課題

研究課題/領域番号 22K19934
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

氏原 嘉洋  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80610021)

研究分担者 毛利 聡  川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)
竹井 元  獨協医科大学, 医学部, 講師 (00708183)
中村 匡徳  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
杉田 修啓  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20532104)
西辻 光希  福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (60770823)
花島 章  川崎医科大学, 医学部, 講師 (70572981)
伊藤 愛  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00963464)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワード冬眠 / ハムスター / ラット / 低力学負荷 / T管膜 / 心筋細胞
研究実績の概要

哺乳類心筋細胞の効率的な収縮・弛緩を担うT管膜は,低力学環境下で崩壊することが知られている.しかしながら,冬眠時には低力学環境下にあっても心筋細胞の構造が維持されていることが示唆されている.そこで本研究では,冬眠哺乳類と非冬眠哺乳類の心筋細胞を比較することで,冬眠哺乳類が独自に進化させてきたT管膜維持機構の解明を目指す.
本年度は,冬眠を誘導するプロトコール(具体的には、餌の種類と床替えの頻度)を見直し,ハムスターを冬眠させることに成功した.デジタル聴診器を用いて心拍数が劇的に低下しているのを確認し,その後1か月ほど冬眠させて低力学環境を維持した.心臓をホルマリン固定し,薄切りスライスした後に小麦胚芽凝集素を用いて細胞膜を可視化した.その結果,T管膜の顕著な崩壊は見られず,長期間の低力学環境下においても,冬眠中はT管膜が維持されることがわかった.これまでの報告では,冬眠期間が短かったり,電子顕微鏡による局所範囲でのT管膜の観察に限られていたが,本研究により冬眠時にT管膜の崩壊が起こらないことが明らかになった.
低力学負荷耐性が冬眠時にのみ発揮されるのか,それとも冬眠前からハムスターは低力学負荷耐性を持つのかを明らかにするために,非冬眠哺乳類のラットと非冬眠時のハムスターの心筋細胞を単離し,拍動や血圧の負荷のない静置培養を行った.その結果,非冬眠時のハムスターの心筋細胞のT管膜は崩壊しており,ラットよりも低力学環境に強いという結果は得られなかった.以上より,冬眠時にのみ低力学負荷耐性が発揮される可能性が示唆された.今後はデータ数を増やし,慎重に研究を進めていく予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 冬眠中の低温・低力学負荷環境における心筋細胞のT管膜構造の維持2024

    • 著者名/発表者名
      氏原 嘉洋,寺島 丈壱
    • 雑誌名

      アグリバイオ(月刊「細胞」,55(14),67-69 掲載記事の転載)

      巻: 8 ページ: 80-83

  • [雑誌論文] Hamster Sperm Possess Functional Na+/Ca2+-Exchanger 1: Its Implication in Hyperactivation2023

    • 著者名/発表者名
      Takei Gen L.、Ogura Yuhei、Ujihara Yoshihiro、Toyama Fubito、Hayashi Keitaro、Fujita Tomoe
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 ページ: 1-14

    • DOI

      10.3390/ijms24108905

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 冬眠中の低温・低力学負荷環境における心筋細胞のT管膜構造の維持2023

    • 著者名/発表者名
      氏原 嘉洋,寺島 丈壱
    • 雑誌名

      月刊「細胞」

      巻: 55 ページ: 67-69

  • [学会発表] 冬眠哺乳類のT 管膜維持機構の解明に向けたハムスターとラットの単離心筋細胞の低温時における T 管膜構造崩壊度の比較2024

    • 著者名/発表者名
      永井陽大,寺島丈壱,杉田修啓,中村匡徳,氏原嘉洋
    • 学会等名
      日本機械学会東海支部第55回学生員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 冬眠時のT管膜非崩壊現象の解明に向けた非冬眠時ハムスターの単離心筋細胞の膜構造解析2023

    • 著者名/発表者名
      寺島 丈壱,杉田 修啓,中村 匡徳,氏原 嘉洋
    • 学会等名
      第62回日本生体医工学会大会
  • [備考] 名古屋工業大学 医用生体工学研究室

    • URL

      https://biomech.web.nitech.ac.jp/

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公開日: 2024-12-25  

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