本研究では西田幾多郎、田辺元、九鬼周造、岩下壮一、中井正一らの哲学の研究に取り組んだ。本研究は以下の8要素からなる。①九鬼周造と中井正一の思想の比較研究②九鬼周造が岩下壮一と亀代に寄せる未練の情に注目した偶然性の研究③日本哲学の観点から檜垣立哉の哲学の研究④九鬼周造と田辺元の哲学の比較研究⑤中井正一の技術哲学の研究⑥西田幾多郎の「実在」についての研究⑦九鬼周造の人間学の研究⑧海外の研究者とのネットワーク構築。これを通じて日本哲学は日本哲学は「絶対無」「実存」「必然」「偶然」などをめぐる哲学者間の議論を通じて形成されていることを示した。日本哲学は今なお着目するべき多様な議論の宝庫である。
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