本研究の目的は、印象派の画家クロード・モネ(1840-1926)が、第三共和政期のフランスにおいて公的評価をいかに得たのかを明らかにすることである。美術批評家ギュスターヴ・ジェフロワによる「印象派の歴史」執筆(1894年)、リュクサンブール美術館への印象派作品の収蔵(1897年)、1900年のパリ万国博覧会における「100年展」への印象派の出品という出来事を通じて、クロード・モネを対象としながら印象派の公的評価を考察した。100年展によってフランス国家が、ナショナリズムの気運が高まるなか、美術におけるフランス派を確立、提示し、そこに印象派を含めたことを明らかにした。
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