都市生活者の美的経験と倫理の接続は、環境美学・日常美学の影響を受けた都市美学の課題のひとつだが、本研究は他者との共生という具体的な倫理規範を提示することでこれを推進する。また本研究は都市という事例に即しつつ、哲学における他者論の進展に寄与する。また都市型環境倫理の一形態を提示することで、倫理学にも寄与する。さらに本研究は、都市美学を媒介にポストコロナの都市構想における文理を問わない学際的協働を促進できることを示す。 生活者の日常生活に注目する本研究の発想は、コンパクトシティやヒューマンスケールなまちづくりなど実践者のあいだで現在特に注目されている考え方と共鳴し、実践的領域に理論的基盤を与える。
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