19世紀末から20世紀初頭までイスパノアメリカを中心に展開された文学運動「モデルニスモ」は、スペイン語文学、中でも特に詩の主題や語法を、西欧芸術をモデルに拡大することを目指す運動であり、同時期に世界規模でインパクトを持ったフランス象徴主義の影響を強く受けながら展開された。本研究は、モデルニスモの詩がフランス象徴詩との関わりにおいて持つ固有の性質を、両者の原典の比較分析から明らかにしようとするものである。研究期間全体を通じて、各地の文化・社会に由来する詩的言語の地域的特質について、社会思想・宗教・哲学的観点から研究を進め、また、さらなる研究の発展の基盤を得ることができた。
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