本研究課題の目的は、日本語研究においてコンピュータや携帯電話を介する言語使用を取り上げる際、「打ちことば」という独立した概念を想定することがどれほど有効であるかを実証的に解明することである。近年、日本語研究ではコンピュータや携帯電話を用いて産出されたことばを一括して「打ちことば」と呼ぶ動きがあるが、特性の違う複数のメディアにおける言語使用の比較は未だほとんどなされていない。そこで本研究課題では2000年代以降の日本で広く利用されてきた携帯メール・LINE・Twitter(X)・YouTubeといった場で産出されたことばを収集し、主に量的な観点から、共通性と多様性のあり方を記述した。
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