本研究では、アクセントが内集団バイアスの手がかりとして機能しているかどうかを検証することを目的としている。具体的には、実験協力者に自分と同じアクセントと異なるアクセントの2種類を聞かせた後、3種類のゲーム理論(独裁者ゲーム、信頼ゲーム、調整ゲーム)において、同じアクセントの者か異なるアクセントの者のどちらに協力行動を示すかを測定する。もし、アクセントが協力行動の手がかりとなっていれば、同じアクセントの者に対して協力行動が多く見られると予想できる。 本研究では、日本列島に存在する多様なアクセント型が、人間の原始的な自然選択による協力行動の最適化の結果であるかどうかを明らかにしようとしている。 1年目は、2018年度に実施したデータの整理を行なった。2年目はオンライン実施のためのプログラム準備などを行った。実験はコロナ禍が収束したため、比較的制約なく実施することが可能な状況となった。研究計画当時、サンプルサイズを小さめに見積もっていたが、コロナ禍を経て、オンラインで調査を実施するためのインフラが整ったため、調査規模を拡大する方針に変更した。 今後、プレ分析ののち、本調査を実施することになる。結果の公表には至らなかったものの、本研究の分析方法を応用した研究において、地理情報システム学会大会ポスター賞を受賞した。
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