研究課題
研究活動スタート支援
平安時代中期の詔を検討することにより、①起草に際して中国唐代の詔を参照することがあること。②白居易の漢詩文を典拠として引用するなど、特有の表現性がみられること。の2点を明らかにした。これらは学会発表しており、今後成稿を期したい。一方で、詔の文体に関しては、より比較的な観点から検討を加えることを、今後の課題としたい。
和漢比較文学
本研究は、平安時代中期の詔(天皇が発する命令のうち、とくに重大な事に際して発出されるもの)のうち、漢文のものを検討する。漢文詔は、従来は歴史学の中で検討されてきたが、文学研究の方法で表現を精査することにより、文体・表現に注目して掘り下げるという特徴がある。このことにより、詔が発せられた背景を探るとともに、中国の詔と比較して文体的な特徴の位置づけを図るものである。