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2022 年度 実施状況報告書

1920年代のアメリカ領サモアにおける反統治運動:海外地域との連関と人々の多様性

研究課題

研究課題/領域番号 22K20050
研究機関神戸大学

研究代表者

矢野 涼子  神戸大学, 国際文化学研究科, 協力研究員 (90968405)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード太平洋諸島史 / アメリカン・マウ / アメリカ領サモア / 帝国史
研究実績の概要

本研究の目的は、アメリカ領サモアと海外地域(欧米諸国、ニュージーランド、他の太平洋諸島地域や日本など)との連関を捉えつつ、政治の「近代化」の進む1920年代のアメリカ領サモアにおいて、現地住民(運動の支配者・ネイティヴ・混血の人々・外国人永住者など)が、「近代的」な政治にいかなる不満や改善点を見出し、元々アメリカ領サモアに存在した現地社会の統治方針を「近代的」な政治体制にいかに統合させていったのかを明らかにすることである。具体的には、アメリカ領サモアで断続的に行われた反統治運動である、アメリカン・マウの検討を行った。
2022年度は、主に、アメリカによるアメリカ領サモアへの統治政策や統治組織の構造を把握する作業を行った。アメリカ領サモアでは、税制を整えることや共同組合、銀行、公立学校の設置、基本的人権の保障を盛り込んだ法律の制定、アメリカのシティズンシップをサモア人に付与すること、サモアの裁判所からアメリカの裁判所への上告を可能にすることなどの実現を海軍が目指していた。その一方で、ハワイやフィリピン、グアムなどの獲得により、アメリカ領サモアの価値は薄れてきていると判断していたアメリカ議会では、アメリカ領サモアに関する法案が通過しない状況にあった。本作業の結果、アメリカ領サモアにいる海軍とアメリカ議会の間で統治方針に矛盾が生じ始めていたことを理解するに至った。
また、今年度の成果として、アメリカによるサモア獲得との直接的な因果関係は示せないものの、影響を与えたの考えられているサモア・ウポル島で活動をしたアメリカ人スタインバーガーについて、その活動内容を研究ノート「スタインバーガー――1870年代におけるアメリカの太平洋進出を視座に」にまとめ、『Promis年次報告書』に投稿をした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルスの影響により、移動を伴う調査や研究者との意見交換が難しいところはあったが、その他はおおむね順調に進展をしている。

今後の研究の推進方策

2023年度は、史料調査を行い、史料の分析を主な活動とする。具体的には、アメリカン・マウに参加した/しなかった現地住民の記録の分析を行い、1920年代におけるアメリカ領サモアの現地住民が「近代的」な政治にいかなる不満や改善点を見出し、元々アメリカ領サモアに存在した現地社会の統治方針を「近代的」な政治体制にいかに統合させていったのかを明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

申請者は、2022年に神戸大学国際文化学研究科にて本課題の研究を行っており、2023年には宮崎大学多言語多文化教育研究センターにおいて引き続き、本課題に取り組むことになっている。異動に伴い、3月末に使用した9183円分が異動手続きと会計システムの都合により、4月計上とせざるを得なかったため、差額が生じている。

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公開日: 2023-12-25  

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