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2023 年度 実施状況報告書

植民地期朝鮮における出版文化の展開と日本―1920年代前半を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 22K20052
研究機関鹿児島国際大学

研究代表者

田中 美佳  鹿児島国際大学, 国際文化学部, 講師 (30962849)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
キーワード植民地期朝鮮 / 朝鮮総督府 / 読本 / 翻訳 / 出版
研究実績の概要

本研究は、1920年代に入り朝鮮の出版文化が開花する過程を、同時期の日本の出版界の影響という観点から、出版物の内容面のみならずデザインや挿絵といった形式面を含めて総合的に解明することを目指すものである。そのために、まず日朝両言語の一次史料の比較・対照という手法によって、朝鮮に流入した日本の文献を特定し、それらが朝鮮でどのように活用されたのかを具体的に解明する。
本年度は、昨年度に引き続き民間の出版社の読本の実態解明を目標に研究を進めた。特に、これまで読本に関する研究でほとんど取り上げられることのなかった1929年刊行の『新文読本』に着目し、その成立過程を分析した。具体的には、国立教育政策研究所教育図書館や日本近代文学館等での資料調査を通し、同書は三土忠造編『中学国語読本』などの中等国語教科書や作文関連書といった、同時期の日本の出版物からの翻訳が多数占めていることや、教養に特化した編集方針が取られていることなどを明らかにした。以上の研究成果については、論文として発表すべく準備を進めている。
さらに、1920年代における多種多様な朝鮮の雑誌についての分析を進めるうえで必要となる資料調査も並行して行い、得られた成果をもとに当時を代表する総合雑誌であった『開闢』についての考察を進めた。同時期の日本の出版界との関係性のなかで、朝鮮の出版文化がどのように展開していったのか、読本に加え各種の雑誌も考察対象として、引き続き分析を行っていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

国内での資料調査はある程度進めることができたが、当初予定していた国外での調査を実施できなかったため。

今後の研究の推進方策

国内外での資料調査を進めつつ、『新文読本』についての研究成果を論文にまとめるとともに、1920年代を代表する総合雑誌『開闢』を中心に雑誌についての分析を進め、各種の学会での報告ならびに論文化を目指す。

次年度使用額が生じた理由

海外での調査が難しい状況が続いたため、旅費の執行ができず延長を行った。今後は、国内外での調査をさらに進めるため、旅費に当てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 近代朝鮮における出版文化の形成と展開2023

    • 著者名/発表者名
      田中美佳
    • 学会等名
      日本出版学会賞受賞記念講演会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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