本研究は、供述採取制度の最適化を試みたものである。供述採取制度が複雑になるほど個別の状況に応じたきめ細やかな対応が可能となる。他方、意思決定主体である被疑者・被告人の制度への理解度は低下してしまう。そうなれば結局、意思決定に適切に働きかけることはできず、供述採取制度は機能不全へと陥る。本研究はそうした問題意識から、権利告知制度のあり方を模索した。これまでいかなる事項を告知すべきかについて十分な検討がされてきたわけではない。本研究は、権利告知制度の機能を分析した上で、その機能を十分に発揮するには、いかなる内容・方法・手順により被疑者に対して情報提供を行うのが望ましいのかを示した点に意義がある。
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