本研究は、アメリカの有権者における感情的分極化の要因、緩和方法、及び帰結に関し、先行研究では十分に明らかにされていなかった点について実証的検討を行なったものである。そのため、本研究で得られた知見は、いずれも政治行動論分野の先行研究に貢献するものである。 また本研究は、アメリカの有権者行動に関してデータの収集及び分析を行うことで、日本の重要なパートナー国であるアメリカの政治や社会についての理解に資するという社会的意義を有する。また、感情的分極化はアメリカ以外の国についても見られる現象であることから、感情的分極化の諸相を実証的に明らかにする本研究は、アメリカという文脈を超えた価値も有する。
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