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2022 年度 実施状況報告書

マキァヴェッリと初期近代イタリアの国際紛争:階層関係とアクターの多元性

研究課題

研究課題/領域番号 22K20117
研究機関早稲田大学

研究代表者

横尾 祐樹  早稲田大学, 政治経済学術院, 助手 (40962030)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワードマキァヴェッリ / 教会 / 政治思想史
研究実績の概要

2022年度は、当初の研究計画書に基づき、マキァヴェッリやその他人文主義者に関する関連史料(一次文献、二次文献を含む)の収集と読解を進めた。論文執筆に必要な一次史料の一部に関しては、翻訳と注釈の作成を行った。一例として、ジョバンニ・ポンターノ『君主についてDe principe』の読解を行う際に、Guido Capelliによる校訂版史料の注釈等を参照することで、本研究の遂行に必要な他の文献(ポンターノであれば、『ナポリの戦争についてDe bello neapolitaneo』など)の収集や読解に繋げることができた。マキァヴェッリに関連する史料としては、Giovan Giacomo Penni『教皇レオ十世の選出と即位のためにローマで行われた、荘厳で名誉ある行進に関する年代記 Croniche delle magnifiche et honorate pompe fatte in Roma per la creatione et incoronatione di Papa Leone X』を回収し、読解を進める段階に達することができた。2022年度内に刊行された最新の校訂版『君主論』における注釈やBarthas(2019)の研究成果も活用しつつ、上記の史料の分析を進めている。この史料中には、教皇レオ10世をモーゼに擬える記述(「まるでモーゼのようにTAMQUAM MOYSES」)も散見される。加えて、イタリアにおける平和の回復者、有徳さを身に着けた運命の支配者として表現される記述も見いだせる(「教皇レオ10世、すなわち最も幸福なる平和の回復者LEONI X. PONT.MAX. PACIS RESTITUTORI FELICISSMO」等)。現状では、教皇と『君主論』の関係性を議論する際の手がかりとして、この史料を活用できるか否か、できる場合はどのように活用すべきかを考察する作業を進めている。こうした教皇評価は、『ディスコルシ』等の教会批判とどのような関係に立つのかも、考察対象にしたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年度は史料収集と読解を進めることに注力した。その反面、研究成果を発表・公刊する機会がなかった。2023年度は、研究成果を公刊できる段階まで引き上げることに重点を置いて研究を進めたい。なお成果報告として、延期されていたInternational Machiavelli Societyでの報告の機会を活用したい。

今後の研究の推進方策

2023年度以降は、フィレンツェ大学での在外研究が既に決まっている。海外での史料収集の機会等も活用しながら、研究報告、論文の執筆や投稿を進めたい。

次年度使用額が生じた理由

在外研究の実施に伴う予算配分の見直しのため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] "How Did Machiavelli Understand Human Misery"2022

    • 著者名/発表者名
      Yuki YOKOO
    • 学会等名
      International Machiavelli Society
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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