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2022 年度 実施状況報告書

国連平和維持活動の実態:具体的な業務内容の解明と業務実施率に関する分析

研究課題

研究課題/領域番号 22K20120
研究機関早稲田大学

研究代表者

浅野 塁  早稲田大学, 社会科学総合学術院(先端社会科学研究所), 助手 (90947607)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード平和維持活動 / 国際連合 / 実績報告書 / 計量分析
研究実績の概要

本研究では、国連平和維持活動で実際にどのような業務が実施されているのか、定量的なデータを用いて測定し、平和維持活動の実態についてその全貌をミクロ的な視点で明らかにすることを目的とする。より具体的には、平和維持活動の詳細な業務データを各ミッションの業務報告書から体系的に収集する。そのデータを用いて詳細な業務内容について記述するとともに、どのような状況下で予定通りの業務実施が遂行されないのか検証する。以上を通じて、平和維持活動が平和に寄与するとの学術的見解について理論メカニズムの観点から追究する。
補助事業期間1年目は実績報告書からのデータ収集を計画していたが、当該文書の性質上、データを収集し分析可能な形に整形するのに時間がかかっている。2年目は、特定のミッション(または国)に対象を絞り、少なくともそれらに関するデータセット構築を完了することで、業務内容の記述および分析について進めたい。また、収集したデータの紹介とその記述を内容とする論文を執筆し、学会等で報告することを計画している。
1年目の具体的な研究実績として、英文査読学術誌Japanese Journal of Political Scienceにて論文が公開されたことが挙げられる。当該論文では、国連平和維持活動に従事する文民隊員が内戦関連死者数を減少させるのか、その効果を検証した。その際、独自に構築した国連平和活動に関する3つのデータセット、すなわち基本情報データセット(BAPO)、財政データセット(PKOF)、および人員データセット(PKOP)を用いて分析を実施した。そのうち、財政データセットについては上述した実績報告書からデータを収集しており、本補助事業で使用する予定のデータを改めて確認することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

国連平和維持活動のミッションごとに発行される実績報告書を用いて、業務データを収集することを補助事業期間1年目の主な計画としていた。実績報告書(PDFデータ)の収集はすでに済んでおり、収集するデータの所在は把握できている。しかし、業務に関するデータは容易に抽出可能な形式で文書内に記載されていない。また、膨大なテキストデータから業務量や業務分野などの分析に必要な情報を抽出する必要がある。そのため、実績報告書の該当箇所を分析可能な形式のデータセットへと修正するのに時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

補助事業期間2年目は、まずは特定のミッション(または国)に焦点を絞り、業務実施データの収集および分析可能なデータセットの構築を完了させることを目標とする。そして、そのデータセットを用いて、国連平和維持活動の業務単位での実施内容についてグラフ等を作成し可視化する。たとえば、業務数の時系列推移や業務分野の変化などを可視化し、従来の研究では観察できていなかった平和維持活動の実態を明らかにする。また、既存のマンデートに関するデータセットと照合し、業務実施データの特性を記述することも検討している。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由としては、所属機関から提供された研究費をデバイス等の購入費用に充当できたこと、またデータ収集の遅れにより研究計画全体が後ろ倒しになっていることが挙げられる。補助事業機関2年目においては、データセット構築、および当該データセットを用いた研究論文の成果報告に当該助成金を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Does peacekeeping by civilians work? Reducing armed violence without armed force2023

    • 著者名/発表者名
      Asano Rui
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Political Science

      ページ: 1~21

    • DOI

      10.1017/S1468109923000063

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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