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本研究は，非エルゴート的時系列モデルに対する逐次統計検定の理論研究である．具体的には，時系列の自己回帰モデルの単位根検定のために，データがオンラインで観測される場合を想定し，現在までで得られた情報を使って可能な限り早期に単位根の探索を行う方法を研究である．
本年度は主に以下の2つの研究を行っていた．
(1)非エルゴート的時系列モデルの統計的逐次解析の理論研究．前年度に引き続き，オンライン観測される非エルゴート的時系列に基づく逐次推定及び逐次検定における理論の仕組みを拡張した．特に，停止時刻を用いた逐次推定および逐次検定において不可欠な推定の共変性と検定の不変性を考察した．
(2)非定常時系列モデルにおける Type I error (第一種誤り) controlの問題に関する研究．Type I errorのコントロールは信頼性の高い統計的推論を行うために重要な課題である．実時間で収集されるデータに対する，Type I errorをコントロールすることは，よりリアルタイムで精確な統計的判断をするために不可欠である．具体的には，オンラインで観測されたデータに対し，データが入ってくるたびに行われるDickey=Fuller型の単位根検定における，Type I errorの漸近的統計性質に関して理論的な分析を行った．
それに関する研究結果は日本国内のいくつかの計量関連学会で報告され，これらの成果をさらに発展させた論文は投稿する予定である。
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