研究課題/領域番号 |
22K20138
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
岡野 雄気 琉球大学, 国際地域創造学部, 講師 (50965960)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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キーワード | インバウンド / オンラインレビュー / 観光行動 / 目的地選択 / 旅行行動パターン / 旅行体験選好 |
研究実績の概要 |
本研究は、訪日外国人旅行者の旅行履歴を旅行レビューサイトに投稿されたレビューの情報を利用して把握するとともに、旅行履歴において観光旅行者の好みに安定性・一貫性がみられるかを訪問スポットの特徴から検討するものである。さらに、地方訪問者に焦点を当てた検討によって訪日外国人旅行者の地方分散化に向けた知見の獲得を目指すものである。 2022年度はデータ収集と前処理、基礎的な分析を行った。代表的な旅行レビューサイトのひとつから、日本国内の観光スポットの情報(所在地、観光スポットのカテゴリなど)を収集した。また、日本国内の観光スポットに対して投稿されたレビューの情報(投稿ユーザー名、訪問時期など)を収集した。本研究では米国からの訪日旅行者を対象に設定して、英語のレビューに限定し、米国居住の投稿ユーザーによるものを抽出した。さらに、収集データの訪問時期の情報に基づいて訪日リピーターを特定し、分析対象とするデータを抽出した。 訪日リピーターが訪問したことのある都道府県を分析した結果、先行研究と同様に、特定の地域に偏っていることが確認された。 また、観光旅行体験の好みの安定性・一貫性を検討するために、訪問した観光スポットのカテゴリの観点から訪日旅行のタイプを分類し、旅行タイプの変遷を可視化した。その結果、全体傾向としては、名所(寺社など)を主な目的地とする旅行が多いこと、同タイプの旅行は訪日1回目に比べて訪日2回目以降では少ないことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「やや遅れている」と判断した理由は以下のとおりである。 1. 当初予定していた「訪日旅行者の日本以外への旅行履歴」のデータ収集ができていないこと。これは、旅行レビューサイトの規約を踏まえてデータの収集方針を変更し、日本国内における旅行履歴のデータ収集・分析を先行したことによる。 2. データ収集に時間を要し、分析の進捗が遅れていること。それにより、目標としていた年度末での学会発表を行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
旅行タイプとその変遷について、地方訪問者に着目した検討を行う。また、訪日旅行の間隔、旅行同行者の観点からの検討を行う。 「訪日旅行者の日本以外への旅行履歴」のデータについては、注目するユーザー層に限定して収集を図る(対象とするユーザー層は分析結果に基づいて設定する)。収集する情報を絞ることも考慮する。訪日以外の旅行に関する情報が限定される場合には、レビューテキスト(収集済み)を利用して訪日旅行経験の内容を分析し、観光旅行者の好みに安定性・一貫性がみられるかの検討を深める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に学会発表を行わなかったため、学会発表のための経費(旅費、登録参加料)として計画していた分が次年度使用額に計上されている。次年度使用額は、学会発表の経費に使用する計画である。
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